前回の記事では、究極の血抜き用のポンプを作りましたが、今回はロケットダスターの先に取り付けて使うノズルを加工してみました。
ロケットダスターのノズルは長すぎる
↓こちらが使用したロケットダスターになりますが、写真の通りこのロケットダスターには最初からノズルが1本付属しています。
このノズルですが、外径がφ2.4mmで長さが70mmほどあります。
究極の血抜きでは、尾びれ付近の背骨の断面を露出させ、そこに見える血管にノズルを刺して水を注入するのですが、φ2.4mmのノズルが刺さるほどの太い血管を持つ巨大魚なんてそうそう釣れるものではないでしょう。
実際に使うのはハマチやマダイなどの魚になると思われるので、もう少し細いノズルを使う必要があります。
尚、本家本元の津本式のサイトでは、専用のノズルが販売されています。

ここで販売されているノズルの外径と対象となる魚は、以下の通りです。
- φ1.1 100g~300gの魚 アジ、イワシ、カサゴ等の小型の魚やうなぎ、アナゴの小型サイズ
- φ1.5 400g~800gの魚 チダイ、イサキ、小型ハタ系、チヌ、サバ等や、うなぎ、ハモなんかの長物に最適
- φ2.0 1.0kg~3.0kgの魚 タイ、石鯛、フエダイ 、中型ハタ等 このサイズが一番オールマイティに使えると思います
- φ3.0 2.0kg~5.0kgの魚 ブリ、カンパチ、カツオ、等の比較的大型魚
- φ4.0 5.0kg以上の魚 カンパチ、ブリ、ヒラマサ、クエ、オオニベ、ランカーシーバス等の大型魚
この表によれば、φ1.1~φ2.0までのノズルがあれば、普段釣ってくる魚のほとんどはカバーできそうです。
手っ取り早いのはこの津本式のノズルを買うことなのでしょうけど、なんとそのお値段たるや1個あたり6,000~7,000円くらいするので、とてもじゃないけど手がでません。
そこで今回は市販のロケットダスター用のノズルセットを加工して使うことにしました。
このセットの内、φ1.0、φ1.3、φ1.8、φ2.4の4種類があれば、たいていの魚に使えそうです。
が、問題点は外径よりもその長さです。
このノズルセットを使って究極の血抜きをされている方のブログを見ると、このノズルの長さが長すぎて、使っているうちに根本から折れてしまうことがあるようです。
確かに細いものほどテコの原理で簡単に折れそうに見えます。
そこでこのノズルの長さを短く加工してみることにしました。
ノズルを短く切る
短くする方法は至って簡単です。
使う道具はダイヤモンドヤスリとピンバイスを用意します。
↓ダイヤモンドヤスリ
↓ピンバイス
φ2.4mmのノズルを加工する
まずは練習がてら、φ2.4mmのノズルでやってみました。
ピンバイスにノズルを差し込み、根本から10mmの位置で固定します。
次にダイヤモンドヤスリ「半丸」のエッジを使ってピンバイスとの境目付近を削っていきます。
ノズル全周を削ると↓こんな感じになります。
ピンバイスから外すとこんな具合に溝ができています。
このくらいまで削ったら、軽くノズルを曲げるように力を加えると、
簡単に折れました。
当然ながら断面にはバリが出ています。
このバリはペーパーで削って滑らかにしておきました。
これでノズルの加工は完成ですが、他のサイズも同様に行います。
φ1.8mmのノズル
φ1.8mmのノズルは先程より長さを少し短くして7mmにセットしました。
先程と同様に半丸ヤスリのエッジで削ったあと、ポキッと折ります。
φ1.3mmのノズル
φ1.3mmのノズルは長さを5mmにセットしました。
φ1.0mmのノズル
φ1.0mmのノズルは長さを4mmにセットしました。
いずれもエッジのバリをペーパーでならせば完成です。
完成したセット
ということでこちらが完成したセットです。
と、ここまで作ってみてから思ったことですが、左の2つ(φ1.0mmとφ1.3mm)はφ1.8mmと同じく長さ7mmにしてもよかったかもしれません。
特にφ1.0mmのやつはちょっと短すぎたかもです。(^^;;
まあ、ともかくこれでそう簡単に折れることはなくなったんではないかと思います。
エラ膜側の注水用ノズル
尾びれ側からの注水用ノズルについては上記の通り用意できましたが、津本氏曰く「尾びれ側からの注水はできればやった方が良い程度であり、究極の血抜きはエラ膜側からの注水が重要」とのことです。
が、前回作った加圧ポンプとロケットダスターだけではエラ膜側からの注水がうまくできそうにありません。
ダスター先端にノズル等を付けずにエラ膜に押し当てて注水することは可能と思いますが、エラ膜の奥にある動脈の切り口に効率良く注水してやるには、そこまで到達するようなノズルを付けてやればよいと思われます。
要するに↓こんな風に動脈の切り口に注水できるようにしてやりたいわけです。
出展:書籍「魚食革命 津本式 究極の血抜き【完全版】」より
そこで、以下のようなセットを買ってきました。
袋から出すと、こうなっています。
左側のは両側にG1/8(PF1/8)のオネジが付いたもので、右側のはG1/8(PF1/8)のメネジにホースジョイントが付いたものです。
これをセットするとこうなります。
要するにホースジョイント(段々になった部分)にG1/8(PF1/8)のオネジが付いたものが欲しかったんですが、ネットで探してもホームセンターで探しても、ズバリその形状のものが見つからなかったので、やむなく2つの部品を組み合わせて作りました。
これをロケットダスターにセットするとこうなります。
これで、魚のエラ膜の切り口から動脈の開口部にノズルを近づけることができるようになりました。
なんならこのジョイントにホースを繋いで、もう少しフレキシブルになるようにしてもいいかもしれませんね。
まとめ
てなわけで、とりあえず津本式・究極の血抜きをするための準備ができたわけですが、実は先日の遊漁船デビューで釣ってきたハマチとサバにこの血抜きを施してみました。
残念ながら一人では血抜き中の写真が撮れなかったので、その時の様子の写真はありませんが、ひとまずハマチに対してはちゃんと血抜きが出来たように思います。
まず尾びれ側から血抜きについては下半身への注水がうまくできたようで、下半身が硬く張るのがわかりました。
あ、いやらしい意味ではないですよ。(^^;;
またエラ側からの血抜きもうまくいったようで、上半身もしっかり身が張るところまで注水ができました。
で、この血抜きの結果、魚の味が変わったか?と言われれば、正直なところよくわかりませんでしたが、1日寝かせた魚はとても美味しく感じました。
もう1匹、血抜き後に捌くタイミングがなくて1週間寝かせたハマチはさすがに臭みの方が強くなってしまっていたので、寝かせるのが長すぎたのか、血抜きがうまくいってなかったのかのどちらかかと思われます。
いずれにせよもう何度か色々ためしてみる必要があると感じました。
あと、サバに関してはちょっと失敗がありました。
エラ側からの注水でなぜか身と皮目の間に水が入ってしまったようで、注水中に皮がベリベリと音を立てて膨らんでしまい、身が水っぽいサバになってしまいました。
おそらく水圧が高すぎたせいで、皮目に向かう血管が破れてしまったものと思われます。
いずれにせよ、もう何度かトライしてみる必要があると感じましたが、さて次に魚を釣ってこれるのはいつになるんでしょうね。
新型コロナのせいでなかなか釣りにいけませんが、早く次の魚で試してみたいところです。
ということで、以上、津本式・究極の血抜きに関する自作道具についてのご紹介でした。
↓こちらでAmazon内商品検索ができます。
コメント